日記をつけることは誰もが一度は経験し、そして挫折した経験があるのではないでしょうか。
・「とにかく日記はつづけられない!」
・「そんな時間なんかない!」
そう思っている方が大半ではないかと思います。私もそうです。日記をつける事のメリットを解説する本やメディアは多くありますが、とにかく継続することができない、そんな代表格が「日記」です。
そんな日記ですが、3日間だけでも続けることができれば、病気も治って、健康にもなるよ、と解説している本を紹介したいと思います。
「そんなわけないじゃん」、と思った方、正常です。
でもこの方法、心と体の結びつきに関する世界最先端の心理学研究を行っているロンドン大学では大真面目に研究されているというから驚きです。
3日間程度で誰もが試しやすく、しかもノート一冊あればできるお手軽方法!「んなわけ、ないじゃん!」という反応を期待した、ちょっとした話題ネタにはなりそうですね。
というわけで、今回は
- 紹介する本:「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる「感情日記」のつけ方」について
- 感情日記をつけることで、期待できる効果
- 心と体の結びつきについてのメカニズム
- 感情日記のつけかた
- まとめ
の順で話していきたいと思います。
40代を迎えてから、健康関係の情報にやたらと興味が向いている自分に気づきます。
若い時と比べ、体重のコントロールが効かなくなったり、体の関節が痛くなってきたり。そんな小さな絶望を感じる度に健康について、知りたくなりますよね。
今回紹介する「感情日記」はメンタル面で悩んでいる方向け、と思われがちですが、高血圧や手術後の傷の具合、そして慢性的な頭痛など、痛みに関して悩まれている方に読んでいただきたいです。
40代にもなると、体のあちこちが痛くなってきます。同じように、プチ高齢期に入ってしまった人たちの話ネタになっているかと思います。
1.紹介する本:「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる「感情日記」のつけ方」について
それでは、本題に入ります。
「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる「感情日記」のつけ方」という本を読みました。著者は最上 悠さん。うつ病や不安障害など多くの治療をしてきた現役の精神科医、つまり、現役のお医者さんが書かれています。
その最上さんも「感情日記」については、最初はご存じなかったようです。なので、いくら欧米でたくさん成果論文が発表されようとも、最初は信じていなかったんですね。
ですが、自分の担当した患者さんが命に関わる大病を患っており、血管が破れないように高血圧を何としてでも下げる必要がありました。
この高血圧、現代医学をもってしても薬で簡単に下げれるものではないことは、案外知られていません。たいていは、”生活習慣の見直し”という別オプションでの改善の道を探るようです。
そこで最上さん、ワラにもスガる思いで、この「感情日記」を担当の患者さんに試してもらったそうです。
そうしたら、どんなに薬を調整しても下がらなかった血圧が、約3週間後には正常値まで下がった、というのです。
患者さんが日記を書いたのは1日15分程度。最上先生もこれには効果を認めざるを得なかったようです。
「一日15分、3日間だけ日記を続けたことで、外科手術後の患者の傷口が早く治った」というロンドン大学の発表から治験を増やし、今ではこの対人関係療法の第一人者となっています。
2.感情日記をつけることで、改善が見込まれる病気の種類
1つ目は高血圧。
生活習慣病の中でもとりわけ多いのが高血圧です。
健康保険組合連合会の調査では40歳以上の男性の場合、約4割が高血圧だそうです。もはや国民病のレベルです。
この症状、とにかく自覚症状が無いのにお酒や食事に制限があるのが辛い、とよく聞きます。
2つ目は腰痛。
こちらも悩んでいる方は多く、第一三共ヘルスケアで2016年に行われた調査では、30代・40代の7割弱が腰痛で苦しんでいるというのです。
しかも原因不明の場合がほとんどで、一度かかると慢性化し、平均で10年と長い間苦しむことになります。
3つ目は傷。
若かった時と比べて傷が治るまでにかかる時間が長くなったり、傷あとが残りやすくなったりしています。
これは加齢による老化現象で、皮膚の新陳代謝の機能が弱まっているからです。
傷口の回復が遅れると細菌などに感染しやすくもなってしまいます。
3.心と体の結びつきについてのメカニズム
日記の効果についてはメンタル面ではなんとなく予想がつくものの、健康や病気に効果があるなんて、単純に「なんで?」って思いますよね。
でも、「仕事のプレッシャーで胃が痛む」だとか、「怒ると血圧が高くなる」というのは、経験がある方も多いかと思います。
これらを説明するには本書では脳の仕組みについて解説しています。我々の脳は大きく3つに分けることができ、進化の過程から
- ①植物脳(視床下部)=生きるための脳:いちばん内側
- ②動物脳(大脳辺縁系)=感情の脳:中間の位置
- ③人間脳(大脳新皮質)=考えるための脳:いちばん外側
と、分かれています。
ストレスがかかると、まず③人間脳で「どうしよう」と考え、それに影響されて②動物脳から不安や恐れの感情が湧き出し、最後に①植物脳で冷や汗や動機といった身体反応を起こします。
でも、これらの感情をありのままに感じることは正常であり、なんら問題ではないです。
問題になってしまうのは、これらの感情を抑え込んでしまうことで、いつまでたっても内に抱えてしまい、心と体のバランスを崩すのです。
現代社会で生きることは、なかなか感情をありのままに表現するのが難しいことが多いです。
そこであらためて、自分の感情と向き合って、しっかりと感じる機会になるのが「感情日記」というわけです。
4.感情日記のつけかた
書き方については、とくにルールはありません。
小学校で習った文章の書き方でなくてもよいし、書く道具もノートでなくスマホでもパソコンでもなんでもかまいません。
「それじゃ、ただの日記と同じじゃん」と思われる方に一つだけお願いするとしたら、それは「感情」を入れることです。
職場や家庭などの日常生活の中で、「あ、いま、感情が動いたな」と感じたら、それ出来事と思いをメモするだけ。
「上司に怒られた、マジむかつく」、「映画を見た、感動した」など簡単なものでもOK。
それらをストックして、一日の終わりに見返して、「もっと吐き出したい」とモヤモヤしたら、それはまだ言いたいことが溜まっている証拠です。
誰に見せるものでもないので、どんな汚い言葉でも、支離滅裂でも気にしない。大切なのは、心の内に秘められた”膿(ウミ)”を出し切ること。
心のデトックスですね。
そうして吐き出された感情の溜まったノートは、誰にも見られずに、ごみ箱にポイっとしてしまってください。
以上で完了です。
5.まとめ
今回は「感情日記」をつけることで健康に効果があるという話ネタについて紹介しました。
- 感情日記はメンタル面だけでなく、高血圧・腰痛・傷などの内傷や外傷にも効果があり、
- 感情日記のメカニズムは、感情が生命維持に必要な脳と密接に関わっているからで、
- 感情日記の書き方は、とにかく心のモヤモヤしたウミを出し切ることが大切ですよ。
という内容を紹介しました。
社会に出た現代人の多くが抱える悩み、それが人間関係です。
その人間関係のせいでメンタル面だけでなく、実は悩んでた高血圧や腰痛もそのせいだとしたら、そしてそれらがわずか3日の日記を続けるだけで改善されるとしたら、とりあえずやってみてもいいのかな、と思っていただけると嬉しいです。
私の場合は小学生の時からから悩んでいた肩こりが改善された気がします。少なくとも首が回るようになったし。
おそらく、心のウミを出す習慣をつけたことで、感情表現に慣れ、自分に自信が持てるようになり、そして姿勢が良くなったせいかな、とも思っています。
6.おわりに
やっぱり日記はムリだな、という方は、「そんな話があるらしいよっ」くらいのノリで話ネタとして使っていただけると、うれしいです。
それではこれからも、皆さんのお役に立てる話ネタを提供していきたいと思います。
今回も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
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